2024年から新NISAになって本家英国のISAと匹敵するぐらいに色々な点で良くなりました。旧NISAはどうするか?今後どうやって行くか?とかとか色々思う事もあります。今後いろいろ書きたいところ。
とりあえず自分の場合、旧NISA口座が楽天証券で、新NISA口座はSBI証券です。旧NISAで保有している証券類は保有銘柄とその市況予測次第ですがそのまま非課税期間中は放置予定です。ロールオーバーもできないので・・・・。旧NISAの枠と新NISAの枠は別建てです。
NISA口座の移管:NISA口座の変更(楽天証券からSBI証券へ)
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以下、旧NISAに関して
★新NISAが始まったことから旧NISAでの保有分のロールオーバーは出来なくなりました。(確定)
非課税期間終了後、新しいNISA制度に移管(ロールオーバー)することはできません。
元となったのは英国のISA制度ですが、日本のNISA制度は制約が多いです。その比較は「本場英国と比べると物足りない?日本のNISA、これでいいの?」で。
イギリスのISAは「非課税口座」という名前の通りなのですが、日本のNISAは非課税「口座」というよりも非課税「枠」に近いです。イギリスのNISAはその口座で売買を繰り返したり、譲渡損益や配当金による再投資をしても非課税のままですが、日本のNISAは一度限りの「枠」なのです。たとえば売却すると「枠」は使用済みで回復しませんし、売却したお金、配当・分配金で未使用の枠があればそれを使えますが、使用済みで既に枠を使い切ったあとは課税対象になってしまいます。一度限りの「枠」です。
投資信託(基本的に「分配」金を出さないタイプ)もしくは配当性向が0%に近い(社内留保や投資に全部回す)銘柄を期間中にずっと保有するなどの条件でないと非課税「枠」を綺麗に使いきれません。
仕組みとしても、枠としての上限金額も、本家英国のものの劣化コピーなのです。この辺り、iDeCoも同様で本家と比べるとトホホな劣化コピーなのです。
日本のNISAを作ったお役人達(特に劣化させた人達)は、天下り、それも同時複数の役員になることも多々で高額な報酬を得て、さらに節税効果が超高い退職金を天下り先を渡り歩いて何度も何度も繰り返してもらってます。さらに加えて最強の公的年金とも言える公務員年金(公務員の超優遇な制度は2015年に公平な厚生年金に統一されたようです)にも守られてるので資産形成なんてどーでも良いのでしょう・・・・
でも、せっかくの非課税「枠」なのですから、両方ともに無理のない範囲で使った方が良いのですけど。
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一般NISA or つみたてNISA の選択
結論:
「よくわかんねーぜ!!」ってな場合、なによりも先に、NISAよりも本来は大きな税制優遇のある「iDeCo」を先に「なるはや」(満額がキツイ人は先にNISAのほうが良いかもです)やって、その次は「つみたてNISA」を「なるはや」でやって、個別株投資をしたくなったり、余裕資金が増えたら「つみたてNISA」から「一般NISA」に変更していくのがベストかもしれません。
NISAの売却益が非課税(但し損した場合の損益通算や繰越控除が出来ないデメリットもある)のメリットを考えると早く始めれば早いほどお得になる可能性が高いということが言えます。但し「投資」ですから市況や商品選択によっては損をする場合もあります。損をした場合にはNISAやiDECOは普通の取引よりも税金的には損します。損益通算や繰り延べができませんので。
迷った場合に「NISA」よりも「つみたてNISA」にした方が良い理由は、「つみたてNISA」のほうが原則的に「大失敗しにくい」というのがあります。また「つみたてNISA」->「一般NISA」はスムーズに変更しやすいのですが、「一般NISA」->「つみたてNISA」はロールオーバーの権利が使えなくなるという大きなデメリットが有るというのも理由です。
自分は投資経験がそれなりなので個別株投資がしたいという点と余裕資金で「一般NISA」を選択しましたが、別途に投資信託などもやっているので最初は「つみたてNISA」でスタートしても良かったかなと思ってたり・・・・。
スペック
一般NISA:
年間上限120万円x5年間非課税、海外株式も含めて対象商品が非常に幅広い
5年後のロールオーバー可能
つみたてNISA:
年間上限40万円x20年間非課税、対象商品はつみたてNISAがOKな限られた投資信託のみ
20年後のロールオーバー不可
つみたてNISAは現行の制度内容を維持し期限を5年間延長、一般NISAは2階建ての新NISAとなり5年間延長、ジュニアNISAは延長せずに2023年末に終了というのが概要です。
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スペックからの選択では・・・
・投資先
->個別株に投資するなら一般NISAのみ
・非課税期間 5年間 or 20年間
->長期なら つみたてNISAがお得
・NISAに回す余裕資金額の違い
->40万円以上の余裕資金なら一般NISA
単純に考えると非課税期間のトータル拠出金額通算合計の比較でいうと一般NISAの非課税が120x5=600万円、つみたてNISAは非課税が40x20=800万円ということでつみたてNISAがお得なように思えますが、投資先の違いや年間の拠出金額の余裕度では一般NISAにもメリットがあります。
今後、NISA制度がずっと続いた場合(そうなりそうな感じです)も拠出金額通算合計で一般NISAのほうが大きくできる可能性が高いです。
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一般NISAで可能なロールオーバーをするか?どうか?の判断
(1)損失を出している場合は、ロールオーバーするかどうか?の判断はとても難しいケースです。
(2)同じ証券会社でないとロールオーバー出来ない。
(3)ロールオーバー手続きしない場合は、最終日の評価額で「課税」口座に自動移動となります。
(4)ロールオーバーした場合は最終日の評価額でその年の残りのNISA枠が決まります。
(5)ロールオーバーした場合に最終日の評価額が120万円を上回っていた場合は非課税でそのままロールオーバーできますが、その年の残りの新規のNISA枠は0円になります。
(6)ロールオーバーは該当商品全部ではなく一部のみロールオーバーという選択も可能。
(7)ロールオーバー前後での売買の注意:約定日の金額と受け渡し日の評価額でズレが発生。
日本証券業協会の非課税期間終了間際の売買等に関する注意点にて
極端な例ですが、ズレが生じるということで・・・・
複雑なロールオーバーの例:出来なくはない例:
例えば一般NISAの口座が2015年~2017年の3年間がA証券、2018~2019年の2年間がB証券の場合、2019年の秋ぐらいに2020年分を事前にA証券に再開設するなどの手続きをすれば2015年分のロールオーバーが同じ証券会社ということでA証券でロールオーバー出来ることになります。その後に2016年分を2021年分でA証券、2017年分を2022年分でA証券、同様に今度は2018年分を2023年分でB証券、2019年分を2024年分でB証券などとロールオーバーを渡り歩くことは可能ではありますが、タイミングと手続きを含めて面倒なためにレアなケースかと思われます。ということで開設する金融機関の選択も結構に重要です。
自分は楽天証券で一般NISAなのですが、2021年末から投資信託保有還元の改悪が続いたので「やっちまった感」があります。
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ロールオーバーしないほうが良いケース:
適時売却:最終年末にかぎらず残りの年月を鑑みて適した時期に売却:
(1)ほどほど値上がりしたが、更に今後5年を考慮すると明らかに有望と思える別途商品がある場合
別途商品が比較してより少ししか有望でない場合はロールオーバーしたほうがお得です。例えば既に120万円が150万円に値上がりしていた場合、150万円の新規の非課税枠の投資と同等となります。非課税枠が膨らんでいるのと同じです。
(2)値下がりして今後も下がり続けそうなダメぽな場合
諦めて売却。最終年末にかぎらず残りの年月を鑑みて適した時期に売却です。損失拡大にならないように・・・そして損益通算・繰り延べができないので大損です。
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ロールオーバーしたほうが良いケース
要:ロールオーバー手続き
(3)値下がりしたが、今後5年で持ち直す可能性が高いと思う場合
ロールオーバーせずに該当商品をずっと持っていた場合、課税口座移動時の評価額で課税されますから、持ち直した場合にたくさん課税されて損します。なのでロールオーバーで。
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ロールオーバーするのが最高に良いケース
要:ロールオーバー手続き
(4)値上がりして、今後5年前後も値上がりが期待できる場合
前記したように拠出額が120万円でロールオーバー時に評価額が150万円に値上がりした場合には、ロールオーバーで150万円拠出して非課税枠が拡大したのと同等になりとてもお得です。目指すのはコレなので一般NISAでも10年を目途とした投資先が良いのかなと思います。
で、迷うのは(2)なのか(3)なのか?というケースかと思います・・・・・(3)の場合は、頭をリフレッシュしてその時点の評価でその商品を「新規で買うか?」というのが良いと思います。そして迷うことがないように(4)を目指しましょう・・・