NFC(近距離無線通信)な決済
new! 2021年10月21から nanacoとwaonがApple Pay対応になり、Apple Pay経由でMastercard、JCB、AMEX ブランドからチャージ可能となりました。
歴史的な経緯でいうと、プリペイド型のSuicaなど交通系、nanaco、waonの流通系、汎用のEdyがサービス開始し、その後にポストペイ(クレカと紐付けた事後決済)のiD、QuicPayが出て、その後にクレカ各ブランドのタッチ決済がでました。またiDやQuuicPayにはプリペイド型のサービスも始まりました。
★ その1:プリペイド(事前決済・チャージ)型
それぞれ全てに単体カード型、クレカ一体型、スマホ(モバイル)型と3種類あります。
交通系はこちら2つのみ利用経験有りで。その他交通系は相互利用が殆ど可能になっていることも有り省略します。
名称(提供元) | ポイント | 一度の決済上限#1 特記が無ければ1枚のみ |
チャージ消失期限 | 故障・紛失 | 払い戻し 要手数料 |
SUICA (JR東日本) ★ |
JREポイント | 2万円 | ? 子供用除く |
〇 | 〇 |
PASMO(株式会社パスモ) | メトポ 東京メトロの場合 |
2万円 | ? 子供用除く |
〇 | 〇 |
nanaco(セブン&アイ) ★ |
nanacoポイント | 5万円x5回=25万円 | 無期限 | 〇 | ✖ |
WAON(イオン) ★ |
WAONポイント |
+2万9千円 |
? | 〇 | ✖? |
Edy(楽天) ★ |
楽天ポイント他#4 | 5万円x5枚=25万円 | ?? | カード✖ モバイル△ |
✖ |
★はキャンペーンのページへのリンク
#1 実店舗例:不足分は現金でOK
#2 2枚まで5回の決済可能:1枚のnanacoカードでギフト利用で上限25万円まで
#3 1度の決済では1枚のみだがカード残高上限5万円+最大オートチャージ2万9千円で合計7万9千円迄
#4 Edyはモバイル型の場合は、楽天ポイント以外にANAマイルなど7種類が選択登録可能(不可なケースも有り)
各種ポイントを貯める場合には、それぞれのポイントサービスの登録が必須な事が殆どなので、入手時はすぐの登録を強く推奨します。
★故障・紛失、払い戻しサポート
〇交通系>△流通系>✖Edy
・交通系は払い戻し(要手数料)も可能で一番手厚いです。
・流通系は故障紛失の対応はOKですが、払い戻し不可です。
・Edyはモバイル型に関しては移行が出来るケースがあるものの(手続き面倒)ほぼ消失で。
->(オート)チャージ設定などで不正利用され続ける可能性もあるので各公式にて紛失・盗難の手続きをしたほうが良いです。
★「決済時」の還元性
Edy > waon > nanaco > Suica > PASMO
Edyは使えるとこではほぼ何処でも0.5%(特定は1%)の還元があります。流通系も同様に0.5%が基本ですがWAONはイオン系では1%になる&特定日キャンペーンが強力ですし、3大コンビニのうちローソンとファミマでも使えて還元率0.5%です。nanacoはセブン&アイ系以外の加盟店が少ないです。交通系は使える店舗で言えば流通系以上なのですが系列以外では殆ど還元無しです。
還元「額」でいうとそれぞれの生活圏・生活パターンで大きく異なると思います。鉄道・バスの移動する額が通算で大きければ交通系が「還元額」は大きくなるという事も考慮で。自分は、昔には定期券購入還元の為に還元のあるクレカを新規発行して利用してました(今は通勤がバイクが主)
なお、利便性(万能性)だけを考えると交通系が最強です。他の決済方法がダメな交通機関利用(電車・バス)はもちろんのこと、あらゆる街中でも使えますので。
★「チャージ時」の還元性や利便性
Suica > Edy > PASMO > nanaco > waon
Suicaは特定クレカ(Viewカード系)で最大1.5%の還元があります。還元無しも多いのですが殆どのクレカからチャージできます。
Edyは楽天カード(還元有りのチャージは楽天Payからのみ)やエポスカードで0.5%他、ちょこちょこ還元のあるクレカはありますが、チャージ自体が出来ないクレカもチョイチョイあります。
PASMOは交通系各社が発行しているカードのみ還元有りで、それ以外は還元無しが殆どですがこちらもSuicaと同じく殆どのクレカチャージできます。
nanacoとwaonは、 2021年10月21から Apple Pay対応になり、Apple Pay経由でMastercard、JCB、AMEX ブランドからチャージ可能となりましたので、iPhone利用者なら上記順位は大幅に変わります。
★クレカ一体型のプリペイド(事前決済・チャージ)はお勧めしない
デメリット
・クレカ利用でないのにクレカ番号を他人に見られやすい
・紛失したときの残高の扱い(例:Edyなら残額も消失)
・紛失した時のクレカ再発行が面倒
・クレカ有効期限後にしばらくすると残高が使えなくなる?!(過去形?)
クレカ期限後にだいぶ経て店舗決済でエラーが出て決済できず(代わりに別のクレカで決済したかと)にそのまま残高を消失した経験があります。自分はEdy、PASMO、SUICAが搭載されたクレジットカードの3つ全てでクレカ有効期限後にプリペイドな残高が使えなくなった経験があります。SuicaやPASMOは窓口に行って対応してもらった経験がありますが、Edyの場合は窓口もなくそのまま消失してしまいました。
クレカ自体の有効期限前に使い切る先としてEdyならネットショップ決済でAmazonギフト券、DMMポイントチャージ購入するという方法は使いやすいと思います。Amazonでギフト券の購入例はこちらに。
★単体カード型 or モバイル型
モバイル型のメリット
・改札などで使いやすい
->カードの場合、財布などからの出し入れが面倒
->専用パスケースなどを用意すればOK??
・チャージしやすい。
->カードはチャージが面倒
現在、カードタイプのSuicaは駅(券売機やViewのATM)などでしかチャージ(非オートの場合)出来ません。以前は自宅などでパソリ経由でチャージ可能(逆にモバイルSuicaのほうが制限が多かった)のでした。現在、モバイルSuicaのほうが優遇?されていてこちらはスマホですぐにチャージ可能です。
・残高が移行できる場合がある。
機種変や故障などでモバイル型のみ移行できる場合が多いです。カード型は使い切るか、手数料を差し引いての払い戻し(交通系のみ可で他は払い戻しNG)になります。
モバイル型のデメリット
・スマホの機種変(紛失や故障含む)が面倒
->スマホでFelica非対応の機種も結構ある(Android)
・スマホの電池が完全消耗(少し残ってればOK)したら、使えなくなる。
->SuicaやPASMOの場合で入札後に電池切れとなった場合、改札で事情を説明して精算、充電後(後日など)に再度、該当窓口で該当の入場記録を消すなど手間がかかります。
★モバイル型の機種変更に関して
->nanacoの機種変更
・iPhoneからAndroidはNG(2021/10/24現在)
・Android同士
・iPhone同士
・AndroidからiPhone
->waonの機種変更
・Android<->iPhoneは不可
・Android同士
・iPhone同士
->Edyの機種変更の方法(公式)(Apple Payに対応予定なし)
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★その2:ポストペイ(事後決済)型
クレジットカード類に紐付けするものです。基本はクレジットカードによるポストペイ(事後決済)型ですが、登録したカード側がプリペイド(事前決済)やデビット(即時決済)の場合場合はプリペイド型となります。
マルチマネー型の自販機やガソリンスタンドなどでは、プリペイド型のiDやQuicPayが決済できない場合が多くありますので要注意です。
iD
NTTドコモがやってるサービスです。
Androidの場合、歴史的経緯から「iDアプリ」の出来がとても悪いです。Google Payからの「iD」の管理と、おさいふケータイからの「iD」の管理があり、多重管理で整合性がとれてません。インストール時に利用した方で管理するのがセオリーですが、どっちでインストールしたかなどはいちいち覚えてないので、Google Payとおさいふケータイを行ったり来たりで面倒です。
iPhoneの場合は、Apple Payでスッキリしてます。
QUICPAY/QUICPAY+
JCBがやっているサービスです。JCB以外のクレカ国際ブランドにも対応してます。非ブランド依存で発行会社次第です。古い規格がQuicPayで新しい規格がQuicPay+(紐づけでデビットカードやプリペイドにも対応)
こちらはiDに比べて登録や切替はすっきりしてます。Androidの場合はGoogle Payのみで管理が可能です。AndroidのQUICPayアプリの実体はQUICPayの案内だけでほぼ意味がありません。iPhoneはApple PayでOKです。
★クレジットカードでの国際ブランドのNFC決済
実態は4種類。歴史的な経緯もありややこしいです。日本国内ではドメスティックなiDやQUICPAYがサービス先行してきましたが、海外では遅れて(2)や(4)が殆ど(たまに各国でドメスティックなサービスがあるようです)です。今後の動向としても(2)や(4)のシェアが増えていく可能性が高いです。
(1)クレカ(リアルカード)単独でiDやQUICPAY決済できるもの
―>過去にはクレジット機能無しのリアルカードやキーホルダータイプも有りました
実利用では店員さんに「iDで」とか「QUICPAYで」と言って該当クレカで「タッチ」して決済します。
# オリコの一部のリアルカードは両対応で熱心でしたが・・・
#リアルカード搭載型は廃れていく気がします。
(2)クレカ(リアルカード)単体のブランドのタッチ(コンタクトレス)決済
->「))))」なマーク有りのリアルカードは増えてきています
実利用では店員さんに「クレジットカードで」でと言って該当カードで「タッチ」して決済します。
# 決済端末に「))))」のマークが無い場合にはこの決済はできません。
# 決済端末に差し込む、通す決済だとタッチ決済ではない通常のクレカ決済になってしまいます。
# キャンペーンや還元率などで違いがあったりなので要注意です。
(3)スマホにクレカでiDやQUICPAY対応として紐づけ登録利用するNFCモバイル(スマホ)決済
実利用では店員さんに「iD」や「QUICPAY」でと言ってスマホで該当カードを有効化して「タッチ」して決済します。
(4)スマホでクレカブランドのNFCモバイル(スマホ)決済
実利用では店員さんに「クレジットカードで」でと言ってスマホで登録該当カードを有効化して「タッチ」して決済します。
# 決済端末に「))))」のマークが無い場合にはこの決済はできません。
# この場合、スマホなので決済端末に差し込む、通す決済もできません。
# キャンペーンや還元率などで違いがあったりなので要注意です。
特に(4)は「クレジットカードで」と言わないと、スマホ利用なので古くからあるSuicaやEdyと勘違いされることがあります。実務的にはクレジットカード決済のバリエーションのひとつなので実店舗では店員さんに「クレジットカードで」と言った方がスムーズです。
カードブランド決済(iDやQUICPAYを経由しない)の「))))」なマークのブランド決済の呼称など
Visaでは「タッチ決済」
Mastercardでは「コンタクトレス」
JCBでは「コンタクトレス(タッチ決済)」
AMEXでは「タッチ決済」
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原理上は無線で非接触(コンタクトレス)であり、パスケースに入れたままでもOKです。数㎝以内に近接する必要があり、実用上はリーダー(読み取り機)に「タッチ」する事が多いため、名称に関しては紛らわしかったり・・・・
自分の経験上ですが、お店の決済端末によっては、べったりとタッチするよりも、指一本分ぐらい浮かしたほうがスムーズな場合もありました。
iPhoneとAndroidの比較で言うと、現状(特にクレカ関連)では、Apple Payしか対応してないものがやや多い感じです。Apple Payが日本で頑張りだした2018年から逆転した感じ。Apple Payでは大きな弱点だったVISAのタッチ決済も2021年に対応が始まりました。昔は おさいふケータイ(ガラケー時代から)での対応もあり、Android系がの方が対応が幅広くて良かったです。たとえば、交通系電子マネーは当初はおさいふケータイのみ対応でした(現在はApple Payも対応)し、 nanaco、WAONは2021年10月21にApple Payにやっと対応しましたが、Edyなどはまだ対応してません。
Apple Payで自分にとって大きな弱点は登録枚数上限でした。iOSのバージョンがあがるにつれて拡大していきました。過去にはiPhone7未満で8枚、その後12枚まで、iOS 17以降で39枚までと大幅に緩和していきました。交通系、流通系やEdy、そして各種コード決済やバーチャルカード(クレカ関連)などは選別して登録しないと制限に簡単にぶつかりました。
クレカ決済関係は大きく分けると、iD、QUICPAY、カードブランド直接対応(カードに「((((」のNFCマーク)の3種類で歴史的にはこの順番となります。それらの多くで モバイル(スマホ)連携でApple Pay、おさいふケータイ、Google Pay で設定管理、利用が可能となってます。
参考
Visaのタッチ決済とQRコードで改札を通過 南海鉄道の実証実験で見えたこと